単位系の説明

 製品ページの「主な仕様」で使っている単位系について説明します。

deg 角度(degreeの略)。360degで1回転。
deg/sec 角速度。1秒間に回転できる角度(度/秒)
pulse/rev 1回転(360deg)で発生するエンコーダパルス数。
r/min 回転速度。1分間に回転できる回転数(回転/分)。


用語の説明

 お客様からご質問を受けた用語について説明します。

パン・チルト・ロール 撮影機器では、カメラの左右方向の動きをパン、上下方向の動きをチルト(またはティルト)、光軸回りの回転をロールと呼んでいます。パンの語源は「パノラマ」で、映像の世界固有の用語です。なお、カメラワークでは、カメラを上に動かすのをパンナップ、下に動かすのをパンダウンと言い、チルトは使いません。
実験装置の座標系に置き換えると、パンはヨー回転、チルトはピッチ回転、ロールはロール回転(これは同じ)になります。
スリップリング 回転し続けるテーブルの上に載せた供試品に、電源線や信号線を接続しなくてはならない場合があります。このような場合は、ケーブルが引きちぎれないよう、回転リングとブラシとを組み合わせた「スリップリング」を回転軸の中心に組み込んで配線します。
スリップリングには、金や銀などのブラシを使うものの他、水銀などを使うブラシレスのものもあります。また、微弱電流の通電に適したタイプ、大電流の通電に適したタイプ、接点数が多いタイプ、USBやLAN通信をノイズレスで送るのに適したタイプなど、さまざまな種類があります。
コスメイトの製品では、レートテーブル、遠心加速度試験機、2軸・3軸回転ステージのヨー軸、高耐候監視カメラのパン軸などで使用しています。
スチュワートプラットフォーム 複数のリンクを並列に連結した機構をパラレルメカニズムといい、スチュワートプラットフォーム(Stewart Platform)はその中の代表的な形態です。長所は、力が大きい、構造が簡単、剛性が高い、高速動作できること。短所は、動作範囲が狭いこと。電動シリンダや油圧シリンダなどの直動アクチュエータを6本配置する構造で、6自由度(X、Y、Z、ロール、ピッチ、ヨー)を有します。電動シリンダは、クリーン性、防火性、メンテナンス性に優れており、油圧シリンダは大パワーに向いています。コスメイトの6軸モーションベース”MBシリーズ”は、電動シリンダを採用しています。
スチュワートプラットフォームは、自動車、航空機、船舶などの運転シミュレータや地震体験機として使われる他に、ロボットハンドや工作機械にも使われています。さらに自動車のタイヤやサスペンション、列車の連結器などの試験装置としても使われている例があります。
ジンバル機構 ジンバル(Gimbal)機構は、隣接軸が直交する2軸以上の回転軸を持ち、かつ全軸の回転軸が一点で交わる機構のことで、船の羅針盤を保持する(設置面が揺れても計器面は水平を保つ)装置に使われていることで知られています。
3軸回転ステージでは、一番外側の回転軸をアウター軸、その内側でアウター軸と直交する回転軸をミドル軸、さらにその内側でミドル軸と直交する回転軸をインナー軸と呼んでいます。3軸ジンバルの場合、隣接していない軸(アウター軸とインナー軸)は任意の角度が取れるので重なる場合が発生し、これを「ジンバルロック」と呼んでいます。
コスメイトの2軸・3軸回転ステージ”MSシリーズ”の中に、ジンバル機構の製品があります。
供試品 供試品(または供試体)は、性能や能力などを調べるために試験される対象物のこと。
 (比較的小さなものを供試品、比較的大きなものを供試体と呼ぶ。または業界によって使い分けている。)
コスメイトでは、レートテーブル、遠心加速度試験機、2軸・3軸回転ステージに搭載する試験対象物 を供試品と呼んでいます。
RS-232C シリアル通信方式の不平衡型インタフェース(EIA規格)で、装置間のデータのやりとりに用います。伝送距離は最大15m程度です。(使用ケーブルなどの条件で変わります。)
弊社製品では、リアルタイム性を重視する場合の通信に使っています。3線で送受信できるので、撮影機器ではXLR3ピンケーブル(音声ケーブル)、実験装置ではDsub9ピンケーブルを用いています。PCのUSBポートへの接続には、RS-232C・USB変換器を使います。
RS-422 シリアル通信方式の平衡型インタフェース(EIA規格)で、装置間のデータのやりとりに用います。伝送距離は最大1,200mで、その場合の最大通信速度は100kbps(ビット/秒)になっています。(距離が短い場合は、通信速度がもっと上げられます。)
弊社製品では、ケーブル長が長く、リアルタイム性を重視する場合の通信に使っています。5線で送受信できるので、撮影機器ではXLR5ピンケーブルまたはXLR3ピンケーブル(音声ケーブル)×2本、実験装置ではDsub9ピンケーブルを用いています。PCのUSBポートへの接続には、RS-422・USB変換器を使います。


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